大判例

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仙台高等裁判所 昭和26年(う)1124号 判決

原審は本件被告事件につき原審相被告人米倉亀男、同下田松雄の国選弁護人である石川富四郎を同時に被告人佐藤山治の国選弁護人に選任したことは所論のとおりである、しかしながら記録を調査するに、本件被告事件は被告人佐藤山治は原審相被告人等と共謀の上昭和二十六年五月三十日午後七時頃栗原郡鶯沢町字南郷五輪原火葬場に於て佐藤典正保管に係る屑鉄等約十六貫を窃取したというのであつて被告人及び原審相被告人等は原審第一回公判において、いずれも本件につき「私達が持つて来た鉄板は前記の場所に捨ててあつたものを山本から貰つたのである」と各行為自体を認め犯意を否認し、その後現場検証並に各証拠の取調べが行われた後原審第三回公判に於て裁判官の「山本から鉄屑をくれるといわれたから持つて来たと言つているが、そう信じて持つて来たのか」との問に対し原審相被告人米倉は「権限のない人夫山本から言われたのでありますからやましいことだと思つた」と答え原審相被告人下田は「盜んだことに間違えない」旨、被告人佐藤山治は「私としては盜むと言う気持ちはありませんでした」とそれぞれ自己の意見を述べているに過ぎないのである。以上の点から考察すれば行為の点はいずれも認めて居り窃盜の犯意の点について共犯者各自の考えを異にしているに過ぎないのであつて、かかる場合必ずしも被告人の利害が相反するものということはできない、されば同一の弁護士を右三名の弁護人に選任していることを目して所論のように刑事訴訟規則第二十九条第二項の趣旨に反するものとは言えない。

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